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そろそろサンダルを買い換えなければならないのだが、今度はどの色にしようかと迷っている。
1足目は黒だった。灰色の柄が入って、黒でもそれほど足元は重くならず、暗い色(黒と緑と紺)ばかり着る私はおかげで勝手に動く影のようだった。
2足目は錆びた珊瑚色と札には書いてあって、確かにくすんでややオレンジ色に寄ったその色は、名前から受ける印象ほどは派手でもなく、足元くらいは少々明るくてもいいかと、めったに身につけないその色を私は意外に気に入っていた。
足元が明るくなって気が大きくなったのか、新調した眼鏡のフレームもちょっと暗いオレンジ色を選び、普段持ち歩くカバンについた反射布は明るいオレンジで、暗い色ばかりと思っていた服や持ち物に意外とオレンジみの色が多いと気づいて、ちょっとだけ恥ずかしくなる。
以前新幹線のホームで、全身がピンクがかった紫ひと色の女性を見掛けたことがある。上品よりは派手に近い色合いの強烈さは、けれどそこまでその色が好きだと言う女性の声のようなものを伝えて来て、呆れるよりは微笑ましくなったことを覚えている。
そこまで貫けばいいのかもしれない。けれど、緑一色なら何とかなっても、さすがにオレンジ一色で全身を染める気にはならず、次のサンダルはさてまた例の珊瑚色にするのか、あるいは黒に戻るか、それともオリーブと称されている明るい黄緑色を選ぶか。
緑は好きだが、好きなのはいわゆる宇治色か暗い迷彩色で、陽射しを浴びてのびのびと葉を広げるオリーブの樹を思わせる緑を、果たして身につけられるだろうか。
誰も私の足元など気にしてはいないだろうが、鏡で眺める自分の姿は自分ではそれなりに気にはなる。手に入れるのはもう少し先だろうが、それまで私は、どの色にするかと楽しく迷うのだろう。
もっとも、子ども用の方が種類は多い私の足のサイズでは、いざ買うと決めて実際に買えるかどうかは賭けなのだが。
その賭けに勝てるように祈りながら、私は今日もまた楽しく新しいサンダルの色のことを考えて、バス停までの道をサンダルで歩く。
投稿者 43ntw2 | 返信 (0) | トラックバック (0)