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理由 (6/11)

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 何もしない日が続いて、そうすると脳が死んでゆくのが体感できる。脳はどんどん死んでゆき、動くはずの部分がまったく動かなくなる。その進行を何とか止めたくて、何かやろうと思った。

 やっていたことをまた再開すればいい。せめて2日に一度家を出て、体を動かして、何もせずにモニタを眺めているなら、せめて手くらい動かそう。

 何となく探して、750 Wordsを見つけて、「このくらいなら書けるだろ?」と言う文面に、そうかなと思って、中に入ってみた。

 何も特別なことを書くわけではなく、ようするに日々の覚え書き(今私がこうしてしているそのままだ)を習慣として書きためてゆこうと言うことなのだが、残念ながらその750語と言うのはアルファベット系の言語しか対応していないらしく、私が何を書き込んでもきちんと字数を数えてはくれなかった。

 そこで一度放り出し、それから改めて場所を作って、何でもいいとにかく深く考えずに指と手を動かし始めた。

 書けば、そこにその瞬間の私が現れる。退屈しているかもしれないし、頭が空っぽかもしれないし、不機嫌かもしれないし、やたら浮かれているかもしれない。感情の現れない字が並んでいるだけに見えて、私自身には私自身の内側が見える。

 今日の私は二度とどこにも現れない私だ。その私を、その瞬間に縫い止めてみようと、そう思って今私は指を動かしているのかもしれない。

 人目のあるところに、こうやって自分の書いたものを晒して、だが私は私自身に向かって書いている。私自身が、私自身を知りたくて、こうしてただ反射のように指を動かしている。

 壊死した脳を、それでも何とか動かせないかと、壊死してしまった後に手遅れかもと思いながら未練がましく、私は残った脳(残っているなら)を動かしてみる。

 苦しまなければ書けないのだと、そう思った時があった。書かない私は私ではなく、だから苦しまない私は私ではないのだと、何の疑問もなく、のたうち回りながら考えたことがあった。

 苦しみは減ったが、書きたいと思う気持ちはとりあえずは失せず、もちろんそれが指先に伝わるかどうかはともかくとして、私は今日もキーボードを叩いている。

 続くまで続けてみよう。今日はここまで。

投稿者 43ntw2 | 返信 (0) | トラックバック (0)

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